彼は飲み会といえば、かなり深酒する人で、
せっかくだからとこれまた本当に久しぶりに飲むことになった。
彼が指定してきた場所は、カウンターしかない小さな居酒屋さん。
気さくなママさんが一人で切り盛りするお店だった。
途中から娘も合流した。
でも、店にはメニューがなかった。
「なんでもいいよ。好きなもの作るよ。。」キップのいいママさん。
すると娘は
「砂肝!」とか「つくね!」と声をかける。。
残念ながら、焼き鳥屋さんではないので、砂肝もつくねもなかったが、
大きなオムライスを作っていただき、美味しそうに食べていた。
娘にとって居酒屋さんは居心地の良い場所。
まだ娘が生まれるずっと前から、
私たち夫婦が仕事帰りにいっぱい飲んで、
夕飯代わりにつまみを食べていた近所の居酒屋があった。
同じ年頃の子供がいたし、夫婦も同年代。
だから、食堂のように毎日通っていた。
それは娘が生まれ、仕事に復帰してからも続いていた。
その影響か、娘は小学1年生の頃、
国語の時間に「すのつくもの、なんですか?」と聞かれ、
「すなぎも」と答えており、普段の食生活が赤裸々になったことがある。
時が過ぎ、その近所の居酒屋に私と娘はいかなくなった。
店主夫妻が離婚したこと、常連客が変わったことが大きかった。
今回、久しぶりに居酒屋さんで夕食を食べた帰り道、
私も娘もなんだかとてもご機嫌だった。
美味しいご飯と、元気な笑い声のする初めての居酒屋さんで
あの頃を懐かしんでいた。
居心地の良い場所って大事なんだな。
いくつになっても、気持ちが良くなる記憶、
私たちにとって、そこは故郷みたいな気持ち良さなんだと思った。
うちの中では互いに喧嘩ばかりしているけれど、
楽しいね、と笑い合った記憶が今蘇ったことが嬉しくて、
たまに、ここに行ってみよう。。と改めて思いました。
居心地の良い記憶。
ありがとう。